ギター・トラックのレコーディング
本物のギター・シミュレーション
ギター・モードでは、MIDIプログラミングのギター・パートによくある、非現実的で、音楽的にもいい加減なギターではなく、リアルなリズム・ギター・パートを簡単に作り出すことができます。ギター・モードでは、実際のギターのポジションに従ってコードが演奏されたかのような、プログラムしたパターンを単純にトランスポーズしただけでは得られない音色ができあがります。 ギター トラックの録音は、メロディ ラインのすべてのノートまたは伴奏パートのすべてのコードを正確に演奏する他のトラックの録音とは異なります。ギター・トラックでは、次のように、実際のギタリストが右手や左手を使って演奏する様子をシミュレートできます。- ストローク(かき鳴らし)モードに対応するキー(鍵盤)を使って、ギターのストローキング演奏を録音します。
- ギターの6本の弦に相当するキー(鍵盤)や、ルートや5度のノートに対応する特別なキー(鍵盤)を使ってのアルペジオ演奏を録音します。
- RXノイズを使うことで、演奏パターンに、よりリアルな人間味を与えます。
- メロディアスで、経過的なコード・パッセージ(一節)を与える規則的なパターンを加えます。
ギター・トラックにサウンドを割り当てる
- Homeモードで、エディットするユーザー・スタイルまたはパッドをPLAYER 1に割り当てます。
- ギター・トラックとして使用するトラックにギター・サウンドを割り当てます。スタイルまたはパッドにサウンドを選択する方法は、「スタイルとパッド・サウンドを選択する」で説明しています。
- ギター・トラックにサウンドを割り当てたら、ページ・メニュー ( )からSave Styleを選択して変更を保存します。
ギター・トラック・録音手順
Guitarモードでギター・トラックを録音する一般的な手順を説明します。ギター・トラックが録音できるようにする
- Style EditまたはPad Editモードに入ります。
- トラックがギター・トラック用に設定されていない場合は、相応しいトラック・タイプに設定します。
- スタイルの場合、Style Edit > Menu > Track Type > Type/Trigger/Tensionページを開きます。
- パッドの場合、Pad Edit > Menu > Pad Type & Controlページを開きます。
- スタイルの伴奏トラックまたはパッド・トラックのいずれかを、Guitar (GTR)トラックに設定します。
- Style Edit > Mainページを開き、選択したスタイル・トラックをギター・タイプに設定します。Guitar Modeページが使用できるようになります。
Guiterモードに入り、録音パラメーターを設定する
- ギター・トラックを設定したら、Guitarモードページを開きます。
- 録音パラメーターを設定するStyle ElementとChord Variationを選択します。それがまだ行われていない場合は、Recording Lengthを選択し、録音するパターンの長さを設定します。 スタイルの場合: パッドの場合:
- Root/Typeパラメーターを、他のトラックと一致するように設定します。例えば、他のトラックをGm7で録音する場合は、ギター・トラックにGm7を選択します。
録音の開始
- PLAY/STOP ( ) キーを押して録音を始めます。1小節のプレ・カウントが終わってから、録音を開始します。
- ギター・パートの録音次の図と表に記載の表示内容は、該当する範囲にあるノートを押すことで録音できます。コントロールについての詳細は、本章の後半で説明します。
何を どこで ストラミング(ネック部分を選ぶ) C1~B1 シングル・ストリング、アルペジオ、パワー・コード (ネック部分を選ぶ) C2~B2 シンプルなメロディーまたはコード (アカンパニメント・トラックに類似) C3~B6 RX Noises(サウンドに内蔵している場合) C7~MIDIスケールの最後 - PLAY/STOP ( ) キーを押して録音を止めます。
- 必要に応じて、同じスタイル/パッド・エレメントの他のコード・バリエーションを録音し、それからスタイルの他のスタイル・エレメントを録音します。
ギター・モード・ページの詳細
Guitarモードページのほとんどのパラメーターはメイン・ページと同じですが、ギター演奏に固有のパラメーターもいくつかあります。ギターの指板ダイアグラムを読む
ストラミング(C1~B1)またはアルペジオ(C2~B2)録音時に、認識されたコード(鍵盤のコード認識エリアで弾いたコード)が、ギターでどのような構成になっているかを見ることができます。 下表は、表示される各種シンボルをまとめたものです。シンボル | 意味 |
---|---|
ドット(オレンジ) | 指で押さえた弦(演奏するノート) |
ドット(白) | 5度音、D♯2キーで演奏 |
X | 弦を演奏しない、またはミュート |
ドットのないグレーのバー | バレー(全弦をセーハ: カポのようにすべての弦を指で押さえる) |
赤のバー | カポ |
キー/コードの選択
ギター・トラックで、通常はChordパラメーターを使ってパターン設定中に事前に聞くコードを設定します。イントロ1とエンディング1は、コード進行を含むことが多いため、伴奏が異なります。
カポの設定
カポ(イタリア語で「capotasto(カポタスト)」、つまり「指板の先頭」)は、ギターの指板に装着される取り外し可能なバーで、すべての弦のピッチをまとめて上げるために使われます。カポを使用すると、弦が短くなるので、サウンドとコード・ポジションが変わります(コード・シェイプは変わりません)。コード・ポジションによっては、単弦の演奏で鳴らない場合があります。次の例は、カポを使用しないCメジャー、そしてフィフス・ポジションにカポを使用する同じコードです。
- Capo > Fretポップアップ・メニューで、カポ(カポタスト)を選びます。
Capo 意味 0 開放弦(カポを使用しない) I … XII カポタストを装着するフレット位置です(“I”は1フレット、“II”は2フレットという要領です)。
使用する弦の上限と下限
パターンを演奏する弦の範囲を選択することができます。例えば、一般的なファンク・リズム・ギターのように、ストラミングを最も高いノートのみに限定する、などができます。以下は、6弦すべてが同じCメジャー、4つの高い弦に、それから4つの高い弦に、かつ、フィフス・フレットにカポを使用する様子を示しています。
- Strings > High/Lowパラメーターで、使用する弦の上限と下限を設定します。
Strings 意味 1 … 6 選択している弦パターンはこれらの弦の範囲で演奏します。
ギター・パターンのレコーディング
各種パラメーター設定後に、ギターの録音を開始します。鍵盤の各ゾーンは、特定のテクニックに対応しています。ストラミングのレコーディング
録音中に、ストラミングの種類を選択することができます。- C1~B1からオクターブのキーを1つ押します。
ノート | Strum |
---|---|
C1 | フル・ダウン |
C#1 | フル・ダウン・ミュート |
D1 | フル・アップ |
D#1 | フル・アップ・ミュート |
E1 | フル・ダウン・ミュート・ボディ |
F1 | フル・ダウン・スロー |
F#1 | フル・ダウン・スロー・ミュート |
G1 | フル・アップ・スロー |
G#1 | アップ・ミュート4弦 |
A1 | ダウン4弦 |
A#1 | ダウン・ミュート4弦 |
B1 | アップ4弦 |
シングル・ストリング、アルペジオ、パワー・コードのレコーディング
レコーディング中に、シングル・ストリング、パワー・コード、速いアルペジオを選択することができます。- オクターブのキーC2~B2を使用してシングル・ストリングやパワー・コードを選択します。
ノート | 弦 |
---|---|
C2 | VI弦(E) |
C#2 | 認識されたコード・ルート |
D2 | V弦(A) |
D#2 | 認識されたコード・フィフス |
E2 | IV弦(D) |
F2 | III弦(G) |
F#2 | すべての弦をミュート |
G2 | II弦(B) |
G#2 | パワー・コード |
A2 | I弦(e) |
A#2 | フル・ダウン/アップ |
B2 | ダウン/アップ4弦 |
自由なメロディーとコードのレコーディング
ストラミングとアルペジオに合わせて、自由なメロディーとコードから作ったレギュラー・パターンを録音して、アカンパニメント・タイプのトラックと同じように使うことができます。短い、メロディーやコードのあるパッセージが必要な時に便利です。(ストラミング・パターンの締め、イントロやエンディング中のリード・ソロ、など。) 図のように、C3~B6の範囲でパターンを演奏して録音します。RX Noisesのレコーディング
RXノイズは演奏中にギターから生じるノイズです。ストラミング・パターンにすでに含まれているものもあります。味わいのある、リアルな音をさらに追加できます。- C7以上のいずれかのキーを押してRXノイズをオンにします。
ノート | RX Noise |
---|---|
C7 and up | RX Noises(サウンドに応じます) |
コード・シェイプの選択
Event Editページで、異なるベロシティの値を持つC0ノートを入力して、コード・シェイプを選択することができます。次のテーブルは、特定のベロシティ値が対応する様子、特定の位置でのードの演奏方法、弦の特定の数を示しています。 同じコード、同じパターンを別のポジションで演奏させることもでき、実際にギタリストが演奏しているのと同様のことができます。Vel. | レンジ | from Str (. 弦から) | to Str. (弦まで) | ポジション |
---|---|---|---|---|
0 | 6 Strings | I | VI | 0 |
1 | 6 Strings | I | VI | 0 |
2 | 6 Strings | I | VI | 1 |
3 | 6 Strings | I | VI | 2 |
4 | 6 Strings | I | VI | 3 |
5 | 6 Strings | I | VI | 4 |
6 | 6 Strings | I | VI | 5 |
7 | 5 Strings Bass | II | VI | 0 |
8 | 5 Strings Bass | II | VI | 1 |
9 | 5 Strings Bass | II | VI | 2 |
10 | 5 Strings Bass | II | VI | 3 |
11 | 5 Strings Bass | II | VI | 4 |
12 | 5 Strings Bass | II | VI | 5 |
13 | 5 Strings Treble | I | V | 0 |
14 | 5 Strings Treble | I | V | 1 |
15 | 5 Strings Treble | I | V | 2 |
16 | 5 Strings Treble | I | V | 3 |
17 | 5 Strings Treble | I | V | 4 |
18 | 5 Strings Treble | I | V | 5 |
19 | 4 Strings Bass | III | VI | 0 |
20 | 4 Strings Bass | III | VI | 1 |
21 | 4 Strings Bass | III | VI | 2 |
22 | 4 Strings Bass | III | VI | 3 |
23 | 4 Strings Bass | III | VI | 4 |
24 | 4 Strings Bass | III | VI | 5 |
25 | 4 Strings Middle | II | V | 0 |
26 | 4 Strings Middle | II | V | 1 |
27 | 4 Strings Middle | II | V | 2 |
28 | 4 Strings Middle | II | V | 3 |
29 | 4 Strings Middle | II | V | 4 |
30 | 4 Strings Middle | II | V | 5 |
31 | 4 Strings Treble | I | IV | 0 |
32 | 4 Strings Treble | I | IV | 1 |
33 | 4 Strings Treble | I | IV | 2 |
34 | 4 Strings Treble | I | IV | 3 |
35 | 4 Strings Treble | I | IV | 4 |
36 | 4 Strings Treble | I | IV | 5 |
37 | 3 Strings Bass | IV | VI | 0 |
38 | 3 Strings Bass | IV | VI | 1 |
39 | 3 Strings Bass | IV | VI | 2 |
40 | 3 Strings Bass | IV | VI | 3 |
41 | 3 Strings Bass | IV | VI | 4 |
42 | 3 Strings Bass | IV | VI | 5 |
43 | 3 Strings MiddleBas | III | V | 0 |
44 | 3 Strings MiddleBas | III | V | 1 |
45 | 3 Strings MiddleBas | III | V | 2 |
46 | 3 Strings MiddleBas | III | V | 3 |
47 | 3 Strings MiddleBas | III | V | 4 |
48 | 3 Strings MiddleBas | III | V | 5 |
49 | 3 Strings MiddleTreble | II | IV | 0 |
50 | 3 Strings MiddleTreble | II | IV | 1 |
51 | 3 Strings MiddleTreble | II | IV | 2 |
52 | 3 Strings MiddleTreble | II | IV | 3 |
53 | 3 Strings MiddleTreble | II | IV | 4 |
54 | 3 Strings MiddleTreble | II | IV | 5 |
55 | 3 Strings Treble | I | III | 0 |
56 | 3 Strings Treble | I | III | 1 |
57 | 3 Strings Treble | I | III | 2 |
58 | 3 Strings Treble | I | III | 3 |
59 | 3 Strings Treble | I | III | 4 |
60 | 3 Strings Treble | I | III | 5 |
61 | 2 Strings Bass | V | VI | 0 |
62 | 2 Strings Bass | V | VI | 1 |
63 | 2 Strings Bass | V | VI | 2 |
64 | 2 Strings Bass | V | VI | 3 |
65 | 2 Strings Bass | V | VI | 4 |
66 | 2 Strings Bass | V | VI | 5 |
67 | 2 Strings MiddleBas | IV | V | 0 |
68 | 2 Strings MiddleBas | IV | V | 1 |
69 | 2 Strings MiddleBas | IV | V | 2 |
70 | 2 Strings MiddleBas | IV | V | 3 |
71 | 2 Strings MiddleBas | IV | V | 4 |
72 | 2 Strings MiddleBas | IV | V | 5 |
73 | 2 Strings Middle | III | IV | 0 |
74 | 2 Strings Middle | III | IV | 1 |
75 | 2 Strings Middle | III | IV | 2 |
76 | 2 Strings Middle | III | IV | 3 |
77 | 2 Strings Middle | III | IV | 4 |
78 | 2 Strings Middle | III | IV | 5 |
79 | 2 Strings MiddleTreble | II | III | 0 |
80 | 2 Strings MiddleTreble | II | III | 1 |
81 | 2 Strings MiddleTreble | II | III | 2 |
82 | 2 Strings MiddleTreble | II | III | 3 |
83 | 2 Strings MiddleTreble | II | III | 4 |
84 | 2 Strings MiddleTreble | II | III | 5 |
85 | 2 Strings Treble | I | II | 0 |
86 | 2 Strings Treble | I | II | 1 |
87 | 2 Strings Treble | I | II | 2 |
88 | 2 Strings Treble | I | II | 3 |
89 | 2 Strings Treble | I | II | 4 |
90 | 2 Strings Treble | I | II | 5 |