Pa5X WEBマニュアル

ファイナライザー

ファイナライザーの割り当て

オーディオ出力のマスタリング・エフェクトに送られる前に、ファイナライザーによって曲の音色がはっきりとパンチのある終わり方になります。また、演奏するスタイルとソング間のレベルのバランスも保証されます。

それぞれのプレーヤーにファイナライザーがついています。パッドは選択したプレーヤーに基づき処理されます。キーボード・サウンドはファイナライザーには影響されません。スタイルまたはソングブック・エントリーに設定が保存されます。

内蔵エフェクトは4バンド・パラメトリック・イコライザーとリミッターです。スタジオ・グレードのマスタリング・エフェクトで、心地よい、温かみのあるアナログ・サウンドで、プロのレコーディング・スタジオで使われる最高のエフェクトにも匹敵します。

  • Home > Menu > Mixer/FX > Finalizerページを開きます。Style/Song Edit > Menuからもこのセクションにアクセスできます。

イコライザーのエディット

標準ビューと拡大ビュー

メイン・ページからイコライザーのパラメーターをエディットすることができます。

また、Expand () キーにタッチすれば、さらに多くのパラメーターを使用することができます。

エディットが終了後、縮小()キーにタッチすれば、元のサイズに戻せます。

シェルビング型または釣鐘型EQ曲線

LowまたはHighバンドのShelfキーは通常有効で、低いまたは高いシェルビング型EQ曲線を作ります。釣鐘型/ピーキング型にすればこれが無効となります。

Low Shelf EQで特定の周波数に満たない周波数範囲レベルを減衰または増幅することができます。High Shelf EQで特定の周波数を超える周波数範囲レベルを減衰または増幅することができます。

Bell/Peaking EQで特定の中央周波数に近い周波数範囲レベルをカットまたは増幅することができます。

イコライザーの設定

EQセクションで音を整えます。

  • dBノブで各EQバンドのゲインを設定します。
    dB(ゲイン) 意味
    すべてのバンド 選択しているEQバンドをカットまたは増幅 -18 … +18dB
  • Qノブで各EQバンドのQ値または帯域の幅の狭さを設定します。
    Q(幅) 意味
    すべてのバンド Q値または帯域幅高くすると幅が狭まるためEQはより正確になり、1つの周波数に集中します。低くすると幅が広がり、広範に、または複数の周波数が調整されます。 1 … 10
  • Hzノブで中央周波数を設定します。
    Hz(周波数) 意味
    Low EQバンドの中央周波数 20 Hz … 1.00 kHz
    Low Mid 50 Hz … 5.00 kHz
    Mid High 300 Hz … 10.00 kHz
    High 500 Hz … 20.00 kHz

ハイパス・フィルターとローパス・フィルターの設定

EQバンドに加えて、ハイパス・フィルターとローパス・フィルターを設定することができます。

ハイパス・フィルターを使えば、低い周波数をカットし、低域に多くの楽器を追加したことから生じるランブルや過剰な低音を取り除くことができます。

ローパス・フィルターを使えば、高い周波数をカットし、音をより「柔らかく」することができます。サンプルによっては存在する耳をつんざくような音(バイオリンの弓で弦をこするような、またはギターのフィードバックのような音)を取り除いたり、高域をブーストするエフェクトを使用するときに強調したりすることができます。

フィルター 意味
Hz (High-Pass) フィルターが音のカットを始める周波数 Off, 20Hz … 1.00kHz
Hz (Low-Pass) 500Hz … 20.00kHz,
Off
db/octave フィルターの強さはオクターブ当たりの減衰、また
は「スロープ」次第です。6dB/オクターブでは、強さ
は選択した周波数を超えるオクターブの半分です。
12dB/オクターブでは、4倍除去されます。
6 … 24 dB/octave

信号の内部ルーティング

リミッターまたはイコライザーがファイナライザーのエフェクト・チェーンの最初に来るように設定することができます。リミッターを最初にして信号ピークを和らげ、それからイコライザーで信号を高周波数に戻すことができます。または、イコライザーを最初にして不揃いの周波数をカットし、リミッターでその後のサウンドをスムーズにすることもできます。

出力ゲインのトリム

Trimコントロールでイコライザーの出力ゲインを整えます。ファイナライザーの出力はマスター・エフェクトへと流れますが、大きすぎる信号は入力に負荷が高い可能性があります。

EQパラメーターのリセット

ResetキーにタッチしてEQパラメーターをリセットすることができます。

リミッターのエディット

リミッター

パラメトリック・リミッターでボリューム・ピークを調整し、プレーヤーからの音が一体化しており、かつブレンドされているという印象を与えることができます。

Inインジケーターが赤くなることを確認します。この場合、リミッターに入る前の信号は高すぎます。イコライザーをリミッターより先に使う場合は、EQUALIZERのTrimコントロールを下げてみましょう。リミッターを先に使う場合は、ファイナライザーの前の信号チェーンでどの段階で信号が「熱く」なりすぎるかを確認します。

リミッターのパラメーターを調整しながら、Outインジケーターでリミッターから出る信号が音割れしているか(赤)確認します。赤であれば、Gainを下げるとうまくいきます。

ゲイン低減 (GR)インジケーターから処理量がわかります。通常、少しリミッターを使えば信号はスムーズになり、全体的な音の自然さは損なわれません。けれども特殊エフェクト(高音系パーカッション)を思い切って制限するなら、Thresholdレベルを下げます。

Limiter 意味
Ratio スレッショルド・レベルに到達したらすぐにリミッターが削減する量です。たとえば、「2:1」はレベルを半減することを意味します。 1.0:1 … 50.0:1, Inf:1
Threshold (dB) リミッターが信号の圧縮を始めるレベルです。値が低いとリミッターがより頻繁に作動します。 -40 … 0dB
Attack スレッショルド・レベルを超えたときにリミッターが作動を始める際の速度です。早すぎるとアタックが音の立ち上がりをカットする恐れがあります。遅すぎると信号パスが間欠的になる恐れがあります。 1 … 100 ms
Release 信号がスレッショルドより下に戻った後でリミッターが動作を終える際の速度です。早すぎるとリリースが音の最後をカットする恐れがあり、突然リリースすると「ポンピング」が生じるかもしれません。EDMミュージックでは、これは好ましいエフェクトかもしれません。
一方、リリース・タイムが長いと、そのままであるべきオーディオ部分に影響がでる恐れがあります。たとえばリバーブ・テールやメカニカル・ノイズなどの低レベルのサウンドです。
1 … 100 ms
Gain Adjust (dB) リミッターを使用すると全体的な音量が下がる可能性があるため、このコントロールで出力レベルを補正することができます。 -Inf, -38 … +24

PAGETOP