スタイル演奏コントロールの設定
コードを演奏する場所を選ぶ(コード・スキャンエリア)
コードは、左手、右手で別々に、または両手でも演奏出来ます。演奏する曲や好みの演奏スタイルに応じて、認識領域を選択できます。
コードを認識するエリアは、CHORDインジケーターの状態によって異なります。
CHORD | コードを演奏するエリア(コード・スキャン・エリア) | 演奏する音数 |
---|---|---|
LOWER | 左手(鍵盤のロワー・エリア) | コード認識モードにより変化 |
UPPER | 右手(鍵盤のアッパー・エリア) | 3音以上 |
LOWER+UPPER | 両手(鍵盤全体) | 3音以上 |
消灯 | コードが認識されない | – |
左手で演奏したときにコード認識されるように設定する
- CHORD > LOWERキーを押してLEDを点灯させます。
コードとして認識されるのに必要な音数は、コード認識モード(下記参照)の設定によって変化します。
右手で演奏したときにコード認識されるように設定する
- CHORD > UPPERキーを押してLEDを点灯させます。
- 3音以上演奏するとアレンジャーがコードを認識します。
両手で演奏したときにコード認識されるように設定する
- CHORD (LOWER+UPPER)キーを同時に押してLEDを点灯させます。
- 3音以上演奏するとアレンジャーがコードを認識します。
コード認識をオフにする
- CHORD (LOWER+UPPER)キーを押してLEDを消灯させます。
- ドラムとパーカッション・トラックは演奏を続けます。
コード・スキャンエリアの保存
- ユーザー・キーボード・セットを保存します。スタイルまたはングブック・エントリー内の各キーボード・セットに異なるコード認識エリアを保存できます。
コードを演奏する方法を選ぶ
(コード認識モード)
コードは最もシンプルに(簡略化して)、または最も複雑で精巧にも演奏できます。認識させるためにコードをどのように演奏するかを選ぶことができます。
- Settings > Menu > Preferences > Styleページを開きます。
SHIFTキーを押しながらPLAYER > STYLE キーを押してStyleページを開くこともできます。
- Chord Recognitionメニューでコードの演奏方法を選択します。
Chord Recognition コードの認識方法 One Finger SPLIT LEDが点灯しているときにのみ使用できます。SPLIT LEDを消灯すると自動的にFingered (3 Notes)モードに切り替わります。
このモードでは、単純化されたコード演奏テクニックを使用してコードを作成できます。
・メジャーコードが認識されるように1音を弾きます。
・セブンス・コードが認識されるようにルート音を弾き、その左隣の白鍵を弾きます。例えば、C3とB2を同時に弾くとC7になります。
・マイナー・コードが認識されるようにルート音を弾き、その左隣の黒鍵を弾きます。例えばC3とBb2を同時に弾くとCマイナーになります。
・マイナーセブンス・コードが認識されるようにルート音を弾き、その左隣の白鍵と黒鍵を弾きます。例えば、C3とB2とBb2を同時に弾くとCマイナー7になります。One Finger Plus このモードはOne Fingerと動作が似ています。ただし、完全なコードを演奏すると、Fingered (3 Notes)として認識されます。これにより、One Fingerでは認識されないタイプのコードも演奏できます。 Fingered (1 Note) SPLIT LEDが点灯しているときに、単音または複数の音でコードを構成します。単音のみを弾いた場合も完全なメジャー・コードが認識されます。
SPLIT LEDが消灯しているときは、3音以上を押さえてコードを構成します。Fingered (3 Notes) コードが認識されるよう常に3音以上を演奏します。 Advanced SPLIT LEDが点灯しているときは、1音以上の音を演奏するとコードが認識されます。1音を弾くと「ルート+1オクターブ上」が演奏されます。5度の音を弾くと「ルート+5度」のコードが演奏されます。
SPLIT LEDが消灯しているときは、3音以上を押さえてコードを構成します。
このモードでは、ジャズ、フュージョン、モダン・ポップでよく使われるルートレス・コードやスラッシュ・コードを演奏することができます。このとき必ずしもルート音を演奏する必要はありません。そうでないとベーシストがすでに演奏しているため音が二重になります。 - EXITキーを押して、元のページに戻ります。
ダンパー・ペダルを踏んでコードを記憶する
ダンパーペダルを踏んでいる間、認識したコードを記憶しておくことができます。この場合、キーボードで任意のコードを自由に演奏でき、スタイルが保持したコードを伴奏し続けます。この方法はフル・キーボード・モード(SPLITキーのLEDが消灯の状態)で演奏する場合に特に便利ですが、キーボードで演奏されたすべての音が新しいコードとして認識される場合があります。
- Settings > Menu > Preferences > Styleページを開きます。
SHIFTキーを押しながらPLAYER > STYLEキーを押してStyleページを開くこともできます。
- Damper&Latchチェック・ボックスにチェックを入れると、ダンパー・ペダルを踏んでいる間は、認識されたコードが保持されます。
ここでは、スタイルのコードを演奏します。ダンパー・ペダルを踏み続けると、認識されたコードが記憶され続けます。別のコードを弾いてスタイルに認識させたい場合は、ダンパーペダルを離します。
コードとロワー・ノートのホールド(メモリー機能)
メモリー機能の使用
演奏中に鍵盤から手を離しても記憶されたコードとロワー・ノートをそのまま維持することができます。この機能はMemory Modeパラメーター(下記参照)の設定によって動作が変わります。
- MEMORYキーを押してLEDを点灯するとコードやロワー・ノートが記憶されます。
- もう一度MEMORYキーを押してLEDを消灯します。鍵盤から手を離すと、コードやロワー・ノートがメモリーから消去されます。
メモリー・モードの選択
MEMORYキーの動作を設定できます。
- Settings > Menu > Preferences > Styleページを開きます。
SHIFTキーを押しながらPLAYER > STYLE キーを押してStyle 1ページを開くこともできます。
- Memory ModeパラメーターでMEMORYキーの動作を選びます。
Memory Mode 意味 Chord MEMORYのLEDが点灯しているときは、鍵盤から手を離しても認識されたコードが保持されます。LEDが消灯しているときは、鍵盤から手を離すとコードがリセットされます。 Chord + Lower MEMORYのLEDが点灯しているときは、次のノートやコードを演奏するまで認識されたコードやロワー・サウンドが保持されます。LEDが消灯しているときは、鍵盤から手を離すとコード(伴奏)とロワー・サウンドのどちらの演奏も中断します。 Fixed Arr. + Lower MEMORYのLEDが点灯しているときは、次のノートやコードを演奏するまで認識されたコードやロワー・サウンドが保持されます。LEDが消灯しているときは、鍵盤から手を離すとロワー・サウンドの演奏は中断しますが、コードは保持され、伴奏は演奏を続けます。
ベース・インバージョンとスラッシュ・コード
アレンジャーはコード認識エリアで演奏されるすべての音を分析してコードを認識し、コード内でのそれらの役割を判断します。ただし、コードの最低音 (左端) を特別なものとみなすように強制することもできます。たとえば、スラッシュ・コードのコードのルート 「( C/E」や「F/C」など) などです。
工場出荷時には、この機能はUSERモードでCONTROL > BUTTON #5に割り当てられています。
コントロール・パネルからベース・インバージョン機能にアクセスする
- CONTROLセクションのUSERキーを押します。
- ストリップ・ディスプレイでキーに割り当てられた機能を確認します。表示されない場合は、コントロール・セクションのVIEWキーを押して確認します。
ディスプレイからベース・インバージョン機能にアクセスする
- Home > Control > Userペインを開きます。
ベース・インバージョン機能をオンにする
- Bass Inversionスイッチで機能をオンにします。
コードの最低音は常にルート音として認識されます。
ベース・インバージョン機能をオフにする
- Bass Inversionスイッチで機能をオフにします。
最低音は他のコード・ノートとともにスキャンされ、必ずしもルート・ノートと見なされるわけではありません。
マニュアル・ベース・ラインを演奏する
自動伴奏なしの左手でベース・サウンドを演奏することができます。
この機能はMAINモードでCONTROL > BUTTON #9に割り当てられています。工場出荷時は、USERモードでCONTROL > BUTTON #6に割り当てられています。
コントロール・パネルからマニュアル・ベース機能にアクセスする
- CONTROLセクションのMAINキーを押します。
- ストリップ・ディスプレイでキーに割り当てられた機能を確認します。表示されない場合は、コントロール・セクションのVIEWキーを押して確認します。
ディスプレイからマニュアル・ベース機能にアクセスする
- Home > Control > Mainペインを開きます。
マニュアル・ベース機能をオンにする
- Manual Bassスイッチで機能を有効にします。
(ドラムとパーカッション以外の)自動伴奏が停止し、鍵盤のロワー・パートでベース・サウンドを手動で演奏することができます。
マニュアル・ベース機能をオフにする
- Manual Bassスイッチで機能を無効にします。
ヒント:マニュアル・ベース機能をオンにしてUpper Chord Scanモードを選択することができます。そうすれば、左手は自由にベースを弾きながら、右手でコードをスタイルに送ることができます。
ダイナミクスでスタイルを調整する
設定したベロシティ値を超える強いタッチで鍵盤を弾いてスタイル・コントロールをトリガーすることができます。
- Settings > Menu > Preferences > Styleページを開きます。
SHIFTキーを押しながらPLAYER > STYLEキーを押してStyleページを開くこともできます。
- Velocity Controlパラメーターで、鍵盤を強いタッチで弾いたときにコントロールする機能を選びます。
Velocity Control 意味 Off 機能がオフになります。 Break トリガー値を超えるベロシティでロワー・トラックを弾くと、自動的にブレークが演奏されます。 Start/Stop 鍵盤をより強く弾くと、スタイルを開始または停止できます。 Bass Inversion トリガー値を超えるベロシティで演奏することで、ベース・インバージョン機能のオン、オフをコントロールできます。 Memory
トリガー値を超えるベロシティで演奏することで、メモリー機能のオン、オフをコントロールできます。 - Valueパラメーターでベロシティ・トリガー値を設定します。
- この機能を使用する場合は、SPLITのLEDをオン(点灯)にします。
ベース&ロワー・バッキングの演奏
簡素なマニュアル伴奏を演奏できます。これは、左手で弾いたコードをベース(コード・ルート)とロワー・サウンド(その他の構成音)に分けて演奏できる機能です。
この機能はMAINモードでCONTROL > BUTTON #6に割り当てられています。
ベース&ロワー・バッキング機能のオン、オフ
コントロール・パネルからベース&ロワー・バッキング機能にアクセスする
- CONTROLセクションのMAINキーを押します。
- ストリップ・ディスプレイでキーに割り当てられた機能を確認します。表示されない場合は、コントロール・セクションのVIEWキーを押して確認します。
ディスプレイからマニュアル・ベース機能にアクセスする
- Home > Control > Mainペインを開きます。
コントロール・パネルからベース&ロワー・バッキング機能のオン、オフを切り替える
- Bass & Lower Backingスイッチでオン、オフを切り替えます。
設定でベース&ロワー・バッキング機能のオン、オフを切り替える
- Settings > Menu > Preferences > Styleページを開きます。
SHIFTキーを押しながらPLAYER > STYLEキーを押してStyleページを開くこともできます。
- Bass & Lower Backingチェック・ボックスにチェックを入れるとオン、チェックを外すとオフになります。
- SPLITキーを押してLEDを点灯させます。
スプリットを有効にするとBass & LowerのアイコンがHome > Mainページに表示されます。
マニュアル伴奏の演奏
- Bass & Lower Backing機能が有効であることを確認してください(Bass & LowerのアイコンがHome > Mainページに表示されます。上記参照)。
- SPLITキーのLEDが点灯し、スタイルが演奏していないことを確認します。
- 左手でコード・シーケンスを弾きます。
コード・ルートがベース・サウンドで演奏され、その他のコード音がロワー・サウンドで演奏されます(ミュートされている状態でも)。
スタイル・サウンド・グループの音量調整
グループ化されたスタイル・サウンドのグローバル・ボリュームを設定できます。グローバルであれば、異なるスタイルを選んでも変わりません。ショーの最中にスタイル・サウンドの音量レベルが急激に変わるのを避けるために、音量設定をHome.ページよりも安全なエリアに移動しました。
- Settings > Menu> Preferences > Styleページを開きます。
- Style Volumeセクションのミキサー・グループ・チャンネルをタッチして音量を調整します。
グループ名 意味 Bass ベース・トラック(ボリューム・オフセット) Drum&Perc ドラムとパーカッション・トラックのグループ(ボリューム・オフセット) 伴奏 伴奏トラックのグループ(Acc1~5)(ボリューム・オフセット) - 画面上にバーチャル・ボリューム・スライダーを表示し、目的の音量レベルまでドラッグします。
グループ分けされたミキサーで行うため、実際のチャンネル・レベルとは異なりますが、グローバル・オフセットが別のチャンネルに追加されます。このため最終的なレベルは各チャンネルのそれぞれのレベルによって異なり、その合計がグループのオフセットに適用されます。
各種グループを細かくミックスしていくこともできます。例えば、ドラムとベースをより目立たせてパンチのある雰囲気にするときは、スタイル・サウンド・グループのボリュームを弱めることでリズム・セクションに余裕をもたせることができます。
グループを永久にミュートしたいときは、音量を0にします。
トラック・グループの(相対的な)音量レベルは、演奏中に選択する後続のすべてのスタイルで同じままです。 - EXITキーを押して、元のページに戻ります。
各フィル/ブレークのフィル・モードの選択
フィル・モードのパラメーターを使って各フィルの終わりにバリエーションを自動的に選択できます。いずれかのFILLまたはBREAKキーを押して設定します。これらの設定はスタイルまたはソングブック・エントリーに保存できるため、各スタイルやソングブック・エントリーのソングに異なるフィル・モードを設定できます。
- Home > Menu > Style Controls > Fill Modeページを開きます。
Style Edit > Menu > Style Controls > Fill Modeページからもこれらのパラメーターにアクセスできます。
- Fill Mode > 1…4/Brkポップアップ・メニューから、対応するフィル/ブレークのフィル・モードを選択します。
Fill Mode 意味 Off フィルを選ぶ前に演奏されていたバリエーションが再び選択されます。 1&2 … 3&4 いずれかの数字の組み合わせを選ぶと、それらのバリエーションが交互に選択されます。例えば、1&2でVariation 1を選択すると、Variation 1とVariation 2がフィルの最後に交互に選択されます。 Up/Down 次に数字が上の、または下のバリエーションが順番に選択されます。UpコマンドではVariation 4の後でVariation 1が選択されます。DownコマンドではVariation 1の後でVariation 4が選択されます。 Increase/Decrease 次に数字が上の、または下のバリエーションが選択されます。IncコマンドではVariation 4まで進むと、Variation 4がもう一度選択されます。DecコマンドではVariation 1まで進むと、Variation 1がもう一度選択されます。 Variation 1…4 Fill to Variation (->1, ->2, ->3, ->4) は、フィルの最後で4つあるスタイル・バリエーションの1つを自動的に選択します。
オート・フィルとフィル・モード
オート・フィルとフィル・モードは、次のように厳密に相関させることで連動できます。
- オート・フィルが有効であれば(AUTO FILLインジケーターが点灯)、いずれかのVARIATIONキーを押してバリエーションを選択できます。これによりフィルが、次に選択したバリエーションが自動的に選択されます。これは次のソング・セクションに最も合うバリエーションを選ぶ最も簡単な方法で、本機が自動的にフィルを選んでくれます。
- スタイルまたはソングブック・エントリーでフィル・モードを設定していれば、FILLまたはBREAKキーのいずれかを押してフィルまたはブレークを選択できます。フィルまたはブレークのいずれか選んだ方が演奏され、そのあと設定したバリエーションが自動的に選択されます。これはフィルとバリエーションの複雑なパターンを作成する高度な方法です。
オート・フィルがグローバル設定である場合は、フィル・モードはスタイルまたはソング
ブック・エントリーに紐づけられます。